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相続税の期限までに財産分与ができないケース
相続税の期限までに遺産相続できないケースもあります。たとえば保有している財産が不動産などの場合、現金化しない限りなかなか分割は難しいものです。たとえ遺産分割協議が終わっていなくても相続の開始から10ヶ月以内に申告をし、税金を納める必要があります。そのままなんのアクションも起こさないで放置していると延滞税、無申告加算税などが課されることがあります。
また被相続人が死亡してから4ヶ月以内に準確定申告なども必要になってくるため、死亡時だけではなくその後ほぼ1年間は落ち着かない日々が続くことになります。法事だけでも忙しいのに、財産の分割によってまた悩みの種が増えることになります。
また被相続人が死亡すると銀行に死亡届けを出すことになります。銀行に死亡届け出を出してからの現金引き出しは前のようにはできません。つまり口座が凍結されるので各種書類の提出が必要になり手続きが面倒になるのです。死亡届けを出す前にお葬式代金など取り急ぎ必要な費用は引き出しておきましょう。すぐに必要なお金は現金で用意しておくべきです。ただし被相続の死亡時にその銀行口座からお金を引き出す場合、法定相続人全体に了解をとったうえで行うことが大事です。
現金がなくて相続税が払えない、物納などは可能?
相続税対策をしていない場合、また相続財産が土地や建物ばかりで現金などがなく相続税が払えない場合が考えられます。そんな時には相続税の物納も可能になっています。国は物納されたものを収納、管理、そして売却して現金化します。なぜなら相続税は期限期間内に一括納付が原則だからです。その期限には現金での一括払いが原則ですが、条件を満たすことで延納も認められています。延納の手続をしても、なお現金で相続税を払いきれない場合には、物納も受け入れています。物納財産を納めるまでの間、利子税を支払います。
お金の代わりとしてモノを物納することになるので、たとえば不動産の場合は相続税評価額での評価となります。実際の取引価格よりも安い価格になるのが普通です。そのため納税者にとっても当然、あまり有利な取引ではありません。現金がなくて仕方がない場合、すぐには換金できない財産をもっていて期限に間に合わない場合、物納をすることになります。
遺言書はどこまで有効?
財産分割の際に必要となる遺言書ですが、法的な効力をもつためには幾つかのハードルがあります。つまり、その遺言に遺言無効事由がないことが重要です。また、遺言が方式を欠くとき、遺言者が遺言年齢に達していない、遺言者が遺言の真意を欠くときや意思能力を有しない、遺言の内容が法律上許されない場合などには無効になることがあります。遺言書作成の際に詐欺や強迫などがある場合も遺言効力は失われます。遺言者が生存中に遺言書を取消した場合、全部または一部修正、撤回した場合も効力はあります。法的な効力をもつ遺言書の作成には、専門家の手を借りたほうがいいでしょう。